公務員が公開で情報発信を始めると、情報の内容に関わらず、所属組織の内外から人事当局に連絡が入ることがあります。
私も過去に人事当局から連絡をいただいたことがあるので、今日はそのときの経験について書きたいと思います。
人事当局は職員を守ろうとしている
突然人事当局から連絡が入ったら、どんな気持ちになるでしょうか。
「実名でブログを書く」などある程度リスクのある行動を起こしている場合、所属組織の内外から連絡が入るであろうと覚悟を決めている方が多いかもしれません。
実際私はどうだったかと言うと、とてもドキドキしながら人事課へ向かいました^^;
しかし面談した結果として、「個人として活動する場合の留意事項についてアドバイスいただいた」と感じました。
私がプライベートで社会活動をする場合、ここまではOK、ここからはNG、という線引きを具体的に人事課に相談するようにしています。
この線引きは所属する組織ごとの判断になりますので、他の組織で前例があったとしても、必ず自らの所属に確認する必要があります。
人生100年時代における人生設計については公務員も決して例外ではないことから、今後自治体での兼業容認の事例は増加していくものと個人的に思っていますが、時代の転換期にある今だからこそ、所属組織の線引きも確認しておきたいところです。
【参考】不安な個人、立ちすくむ国家
【参考】【生駒市長 小紫雅史氏:第5話】体調管理ができれば 職員が土日に副業してもよい
リスクを把握しておく
では、公務員が発信するリスクとは一体何でしょうか。
地方公務員法においては主に次の条文に当たるかと思います。
地方公務員法第三十三条(信用失墜行為の禁止)
職員は、その職の信用を傷つけ、又は職員の職全体の不名誉となるような行為をしてはならない。
地方公務員法第三十四条(秘密を守る義務)
職員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も、また、同様とする。
2 法令による証人、鑑定人等となり、職務上の秘密に属する事項を発表する場合においては、任命権者(退職者については、その退職した職又はこれに相当する職に係る任命権者)の許可を受けなければならない。
3 前項の許可は、法律に特別の定がある場合を除く外、拒むことができない。
地方公務員法第三十五条(職務に専念する義務)
職員は、法律又は条例に特別の定がある場合を除く外、その勤務時間及び職務上の注意力のすべてをその職責遂行のために用い、当該地方公共団体がなすべき責を有する職務にのみ従事しなければならない。
地方公務員法第三十八条(営利企業への従事等の制限)
職員は、任命権者の許可を受けなければ、商業、工業又は金融業その他営利を目的とする私企業(以下この項及び次条第一項において「営利企業」という。)を営むことを目的とする会社その他の団体の役員その他人事委員会規則(人事委員会を置かない地方公共団体においては、地方公共団体の規則)で定める地位を兼ね、若しくは自ら営利企業を営み、又は報酬を得ていかなる事業若しくは事務にも従事してはならない。ただし、非常勤職員(短時間勤務の職を占める職員及び第二十二条の二第一項第二号に掲げる職員を除く。)については、この限りでない。
2 人事委員会は、人事委員会規則により前項の場合における任命権者の許可の基準を定めることができる。
この中で所属組織によって判断が分かれるところは、「信用失墜行為」と「営利企業への従事等」です。
もしこれらに当たる(可能性がある)と判断された場合は、所属の一員としての対応が必要となります。
発信には多くのメリットがある
ここまでリスクを挙げましたが、前述の線引きを把握しておけば、私は公務員の発信には多くのメリットがあると思っています。
- 全国の知人に姫路市のことを知ってもらえる
- 姫路市に旅行に来てもらえる
- 姫路市内の情報を教えてもらえる
- 地域の課題を教えてもらえる
- 自己の能力向上に繋がる(文章力の向上、プレゼン力の向上等)
- その他興味関心について成長の機会が得られる(執筆依頼等)
情報を発信していると、情報が舞い込んできます。
リテラシーは必要となりますが、姫路市を全国にPRでき、かつ興味関心を通した自己成長を享受できるというメリットは、私にとって代えがたいものとなっています。
姫路市安富町にある加茂神社に紫陽花を見に行きました^^
「好きこそ物の上手なれ」と言いますが、子育てを通して、本当にそのとおりだと実感しています。
「所属組織の線引きを確認した」ことで歩みを止めてしまうことのないよう、今日は私の見解を整理させていただきました。
お読みいただきありがとうございました。
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