実家の帰省に乗じて、以前から注目していた邑南町に伺いました。
邑南町は、広島県との県境にある人口約1万人の自治体で、地域内で経済を循環させる「A級グルメのまちづくり」で有名となったまちです。
まちおこしの鍵は、
地域資源である一次産業(美味しい農畜産物)
それを加工する二次産業(耕すシェフ制度と食の学校の設立)
それを現金化する三次産業(飲食店や道の駅の設立)
までの仕組みづくりを徹底的に行い、地域おこし協力隊制度等を活用し、雇用創出と人材育成を図った点です。
有り難いことに、その仕組みづくりから実現までのキーマンである元邑南町役場 商工観光課長・寺本英仁さんに今回お話しをお伺いすることができました。
まず寺本さんが2005年に行ったのが、自治体初のオンラインショップ「みずほスタイル」の開設でした。(のちに「ふるさと納税」の先駆けとなりました。)
地域の生産者等に丁寧に説明したものの、当時はそれほど売り上げが上がらなかったそうです。
そこで、特産品の販売だけでなく、継続的に地域が経済循環する抜本的な仕組みの必要性を感じて考案されたのが「A級グルメのまちづくり」です。
地産地消という言葉がなかった当時、「A級」という表現が、「B級」と比較するだけの言葉だと勘違いされたこともあるそうですが、
「A級」=「永久」
地域の方々が誇りを持って作ったものは永久である
という意味もあるそうで、
地元の食材を使い、一流のシェフを町外から呼んで文字通り「A級」の食事を提供するだけでなく、地域おこし協力隊制度を活用し、将来飲食店の起業を目指す「耕すシェフ」事業を創設。
これにより町外から移住者が増加しました。
雇用創出と人材育成を同時に行い、一次産業から三次産業までの経済循環の仕組みができたことで、邑南町の名前は全国に知られることとなりました。
島根県は、人口減少、過疎化の最先端の地域であり、いわば日本の縮図。
特に、30年後には町自体の消滅が危ぶまれていた邑南町の改革について学ぶことができ、大変興味深い時間となりました。
長くなりますので、邑南町での学びは、vol.2に続きます。
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