海士町視察旅行レポの続きです。
前述の「しごとづくり」=地域資源の特産品化による産業振興策、「まちづくり」=転入者の受入環境整備による定住支援、から間もなく行ったのが「ひとづくり」でした。
元々海士町では、他都市の学生との交流として、海士中学校の修学旅行で都会の大学を訪問し中学生が大学生に対して講義を実施したり、都会の若者たちが海士町の小中高校で出前授業を行ったりしていました。
人と人との交流により海士町のファンが増加しただけでなく、海士町で生まれ育った子ども達の愛郷心が向上しました。
そして海士町が全国的に有名となった政策、「島前高校魅力化プロジェクト」。
平成20年当時、人口減少により島前高校は全学年1クラスとなり、廃校目前となっていました。
島から高校がなくなること、それは、高校生が地域からいなくなるだけでなく、働き盛りの親たちが家族ごと島を出てしまう可能性をはらんでおり島の存続に直結していました。
そこで、海士町だけでなく、島前3町村が協議を重ね、他ではできない挑戦の場が与えられ「行きたい!」「行かせたい!」と思ってもらえる魅力的な高校に改革することにしました。
この取り組みが功を奏し、現在は、全国から学生が集まる大人気の高校となりました。
なお、海士町の改革は高校だけにとどまらず、全国で初めて「半官半X条例」なるものを制定し、職員の働き方改革を行っている最先端の自治体でもあります。
すごいですね。
ここまで文字にしてみて、改めて、海士町の凄さを実感しました。
ちなみに、今回ご説明くださった海士町職員さんに「生き生きしていらっしゃいますね。」とお伝えしたところ、「自治体の役割は何だと思いますか?」と質問を投げかけられました。
その心は、「自治体の役割は、人口を増やすことと、お金を稼ぐこと。その目的達成を目指して、組織の意思決定がなされ、組織の事業が実施される。私はそれを担っているだけで、先人含めすごい職員はたくさんいます。」とのことでした。
自治体と地域が、同じ方向を向いて生き生きと行動すること。
これに勝る地域活性化はないと感じました。
さて、vol.4は姫路市の視点に戻って書いてみようと思います。
■隠岐島前教育魅力化プロジェクト
■半官半X条例
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