流山市視察旅行レポvol.1~シティプロモーションとは〜

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12月に行った流山市の視察レポートを書いていきたいと思います。

今回の視察は、「流山市のシティプロモーションについて勉強したい!」という私の望みを山形市の後藤好邦さんと大和市の坂本勝敏さんが叶えてくださったもので、大変有り難いことに、年間16万人を集客する流山市のメインイベント「森のマルシェ」にお伺いできただけでなく、井崎義治市長と河尻和佳子マーケティング課長への面会が実現し、書籍等には書かれていない生の声を拝聴することができました。

この貴重な機会に心から感謝するとともに、この学びを文字にして可視化していきたいと思います。

まずはじめに結論を書いておきたいのですが、流山市が実施してきたシティプロモーションは、都市の宣伝でも、観光客増加のためのPRでもありません。

そういう表面的な広報ではなく、「都市経営の手法」そのものでした。

実は、井崎市長にお話しをお伺いした際、「シティプロモーションについて勉強しに来ました。」という私の発言に対し、市長が最初に伝えてくださったのが次のお言葉なのです。

「私は着任当初からマーケティングを重要視してきた。『シティプロモーション』や『シティセールス』は単なる広報と勘違いされる可能性があるので、『マーケティング』という言葉を使っている。『マーケティング』とは、都市経営である。」

この一言に、流山市の政策が凝縮されている気がしました。

流山市は、千葉県にある人口約20万人の都市です。

流山市の何がすごいのか、驚くべきは人口増加率とそのボリュームゾーンです。

平成16年には約15万人であった人口がこの10年間で3.8万人増加し、そのボリュームゾーンとなっているのは30~40代(特に35~39歳)の活力世代。

東京都近郊は鉄道が普及しているため通勤時間が許容圏内であれば居住地の候補となり、地方よりも人口の争奪が激しいことは知っていましたが、実際に「森のマルシェ」のイベント会場で最も驚いたことは、【小さなお子様を連れた家族連れが多いこと】でした。

あちらのブースもこちらのブースも、私とちょうど同世代くらいの親が、娘たちと同じ年齢か、少し幼いお子様の手をつないで、楽しそうに過ごしていらっしゃいました。

 

どうしてここまで人口が増加したのか。

その理由は、緻密なマーケティングを基にしたターゲット設定にありました。

流山市は、20年前に全国初のマーケティング室を設置。

人口動態や行動分析等のマーケティングを実施したうえで、ターゲットを「共働きの子育て世代」に設定。

以来、都市圏に住んでいるターゲットの移住を目標として政策を決定、各々の事業を実施してきました。

 

特筆すべきなのは、事業の質。

「質がない事業はただの浪費、ばら撒きをしてはいけない。」という市長のお言葉どおり、共働き世代のセーフティーネットとして、駅前送迎保育ステーションを設置・運営したり、パンフレットを女性がかわいいと思うデザインに統一し、ハンドバッグに入るサイズに変更したり、実施する事業の一つひとつが、一貫してターゲットのために実施されているのです。

どこの自治体でもありがちなのが、事業を実施する際、「どんな人にも受け入れやすいもの」としてしまい、かえって訴求力が低下してしまうことです。

ユニバーサルデザインの観点は必要なのですが、それとは似て非なるものだと感じました。

 

流山市は、ターゲットを明確に絞ることにより、都市経営の目的である人口増加を達成。

ターゲット以外の世代からも支持を得ることができました。

無論、当初は反発もあったようですが、活力人口が増加したことにより不動産の資産価値は急速に上昇。

高齢者等にとっても物質的な豊かさが生まれただけでなく、子ども達の元気な声により、精神的な豊かさも生まれました。

長くなったので、vol.2に続きます。

■流山市人口増加中

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■流山市マーケティング課

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